MECP2重複症候群(MECP2DuplicationSyndrome)とは主に男児におこり、X染色体上の MECP2遺伝子の変異(重複)が原因 の重度神経疾患です。

(同じMECP2遺伝子の変異が原因で起こるものにレット症候群があり、主に女児におこります。)

報告されている症状は、乳児期の低筋緊張、摂食困難、重度の便秘、発作、反復性の呼吸器感染 症、中度から重度の知的障害、言語習得困難、歩行困難や歩行不能、などがあり、平均寿命も短 いとされています。

アメリカのDr.HudaZoghbiにより2005年に発見された比較的まだ新しい疾患です。それ唯に現在、医療従事者の間ではほとんど知られていません。発見当初の報告症例は約100件と珍しい遺伝子疾患と考えられていましたが、遺伝子検査の進歩により患者数も増え、当初考えられていたよりも多くの患者がいるのではと見られています。

日本でも国立成育医療センターが中心となり、原因不明の遺伝子関連疾患の網羅的遺伝子解析が2015年7月から開始されました。これにより今まで原因不明とされていた疾患に対し確定診断名が付くことが予想されます。それに伴い、MECP2重複症候群の患者数も増えるのではないかと考えられています。

2015年12月には、アンチセンスオリゴを用いたマウスへの遺伝子治療で疾患の特徴的な症状を抑えることに成功したと発見者であるDr.Zoghbiが発表しています。また、CRSPR/Cas9での遺伝子治療も模索されています。

肢体不自由児(者)であることが多く、発語レベルも無いもしくは低いため、自ら何かを発信することが難しく、当初認知能力も低いと考えられていました。しかし、患者家族の努力により、視線を利用したコミュニケーションツール(eye-tracker)などの導入を行い、言語理解や認知 能力は当初考えられていたよりも高いことが分かってきています。

ただこれらのことは、アメリカを中心とした欧米諸国での話であり、日本では研究もまだ進んではおらず、診断にまで至っていないケースも多く、患者家族同士の繋がりも難しいのが現状です。